各巻の「まえがき」より
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 『FUYO HARUNA』の創始者、春名芙蓉はそのたぐいまれな才能をいかんなく発揮し、数々のテーブルウェアやポーセリンジュエリーを世に送り出してきました。それらはすべて、安らぎの創造を目指す彼女の思いから生まれてきたものです。
彼女は、「創り手」と「使い手」の心が作品を通してかよいあうことを願ってきました。
 彼女の描く絵や写真作品には、すべてを与えてくれる「自然」への感謝の思いが込められています。感動が作品を通じて「使い手」に伝わり、少しでも元気になってもらえればと、心から念じて彼女は創作を続けています。
 古稀を過ぎてなお衰えを知らない彼女の情熱は、創作活動の域を超えて、「生きる」という人間の根元的な活動に向けられています。深い洞察から発せられる彼女の言葉は、自らの人生を語りながら、聞く者の心を癒す優しさと力強さに満ちあふれています。
 「子どもを愛した心で、多くの人を愛していきたい」
 こう語る春名芙蓉の生き方そのものが、世代を越え、多くの人たちの間に感動の輪を広げています。

 二〇〇〇年十一月、春名芙蓉はアトリエから出て、一人でも多くの人と語り、自らの心の中にある思いを伝えることで、命を与えてくれた自然への恩返しをしたいと考えました。
 人々とふれあいを求めてすすむ、彼女の新たな挑戦の始まりでした。
 「この地球にともに生きる人達に一人でも多く安らぎを届けたい。」
 「たくさんの人に幸せになってもらいたい。」
 才能に富むこの一人の女性が真心を込めて語る言葉は、人々の心の琴線に触れ、大きな波紋を広げています。しかし、自分には何の取り柄もないと繰り返す彼女は、自らの弱さを痛感して生きてきたと言います。能なく弱い自分だったからこそ、そんな自分を愛して命を支えてくれる自然の恵みに、心から感謝できたのだそうです。決して彼女は自分のことを「才能に富む」などと考えたことはないのです。彼女の言葉や作品にはいつも、弱き者=生きとし生けるものへの共感と慈しみが込められているのです。
 
 春名芙蓉が少人数の方々に語りかけるアフタヌーンティーは、『春名芙蓉との集い』と呼ばれ、『FUYO HARUNA』の店舗やホテル、春名芙蓉の別荘などで月に一〜二回の割合で行われてきました。二時間ほどのこのささやかな集いには、春名芙蓉の子ども達も参加し、参加者からの質問も交えながらすすめられます。
 『地球の子守詩』は、その中から、平成十二年十一月から翌十三年七月にかけての十回分の内容を十章に分けて抜粋し収録したものです。
 
 
 『地球の子守詩』を手にとって頂いたあなたに感謝致します。
 ともにこの地球に生まれ、この星の自然に抱かれて生を受けた私たちが、思いやりの心をもって生きることができますように。
 それが平和への道標となりますように。
 
 
 降り注ぐ光が見えますか。
 潮騒の音は聞こえますか。
 野を走る風に気づきましたか。
 花は咲いていますか。
 あなたは何を感じていますか。
 
 この星の子守唄がきこえますか。
 
 春名芙蓉の心をうずかせる大自然の愛の詩が。
 
平成十五年七月二十九日                                    
塩見 仁将





『地球の子守詩 第一集』が平成十五年秋に発刊され、各方面よりたいへん大きな反響をいただきました。このたび続刊を求める声に後押しされて、第一集刊行後、わずか半年ほどで第二集出版の運びとなったことに感謝しています。
そして『地球の子守詩 第一集』に対し、読者から寄せられた多数の感動の声を読みながら、この書を世に問うことのできた意義深さと喜びを改めてかみしめています。
ほんの少しですが読者の声をここでご紹介しましょう。
「感動で涙が出て止まりませんでした。今も本の話をするだけで涙が出てきます。」
「本を開いた途端、一瞬のうちに幸せな気分になりました。今まで理屈をつけて生きてきたけれど、回りの人すべてに感謝して生きて行こうと思います。何回も何回も繰り返して読ませていただきたいと思います。」
「毎日毎日読ませていただいています。涙が止まりませんでした。なんて間違った意識で過ごしてしまったか。先生にもお会いしたい。感動です。」

多くの読者の声は、春名芙蓉の「念(おも)い」が実現していることを、語ってくれています。
「たとえ一人でも、誰かの心を明るく照らすことができたなら、その人の人生は成功といえるでしょう。」そう春名芙蓉は言いました。彼女は三人の子どもの人生を、豊かであたたかい光で照らし出し、今多くの人たちの心に、よりよく生きる希望の灯(ひ)をともしています。彼女は、自らの思いに忠実に、黙々と人生の勝利を目指して歩み続けています。
彼女がどうやって、自らの心に光を絶やさず、人の心に明かりを燈していけるのか、この書を読んでいただければ、はっきりとおわかりいただけるはずです。この書に表された春名芙蓉の生き方は、新たな発見に満ちています。
 実り多き人生を、豊かな心がもたらします。豊かな心は、刻々の自らの意識によって形成されます。
春名芙蓉の生き方から、すばらしい人生の糧を、多くの人がつかみ取っていただければ幸いです。
 
『地球の子守詩 第二集』は、平成十三年九月から翌十四年十月にかけて行われた『春名芙蓉との集い』の内容を八章に分けて収録したものです。




 『地球の子守詩』は、春名芙蓉を囲む少人数の語らいの席で、春名芙蓉自身が人生について語った内容を収録したものです。本書の元となった『春名芙蓉との集い』と呼ばれるこの茶話会は、平成十二年十一月に始まりましたが、それからすでに四年の月日が経とうとしています。この第三集では、平成十四年十一月から十六年七月までの二十一ヶ月間に催された、三十五回の『春名芙蓉との集い』のうちの八回分を選び収載しました。
 本書にあらわされた彼女の人生観を知るための、最も重要なキーワードとして、「自然」・「感謝」・「意識」・「解放」・「愛」などを挙げることが出来るでしょう。これらのキーワードのどれも、誰もが知っている普通の言葉です。しかし、春名芙蓉が語るこれらの言葉には、普段私達が使っているのとは違う深い意味が宿されていることに、本書を読み進むにつれ、きっと気づいていただけるでしょう。
春名芙蓉は、人生の歩みの中で、「自然」への「感謝」を絶やしませんでした。その「感謝」が、自らの精神を生き生きと潤わせ、人生の歩みを後押ししてくれたといいます。そのような「自然」に沿った生き方は、身も心も共に元気づけてくれるのです。
「自然」に沿った人生を歩みながら、彼女は、こだわる心を捨て、自らの「意識」を「解放」することで、自分や人を束縛しない自由を手に入れてきました。人は自分の立場からばかり物事を見るのに慣れすぎて、知らず知らずのうちに、それが正しい見方だと思いこみ、無用な摩擦を生む結果ともなっています。
例えば、子育ての場合でも、親が自分の世界からしか子どもを見てやれず、本当に子どもが必要としていることを見誤ってしまっている場合があります。春名芙蓉は、本当の「愛」をもって、子どもと接することが大切だと説きます。子どもには成長しようとする力が最初から宿っています。それは「自然」から与えられたものです。本文中で彼女は次ように語ります。「子どものエネルギーというものは、大人が考えているような小さなものじゃなくて、もともと持っているエネルギーはものすごいものですよ。でも、大人が子どものエネルギーを小さく小さくして育てているのです」と。
後悔しない子育てをするためには、子どもをせかして成長を促すよりも、親自身が自分の成長を急ぐことが大切なのではないかとも、彼女は問いかけています。
何かにとらわれた自分の「意識」を、束縛からひとつひとつ「解放」していき、広く大きな「自然」の「愛」への感謝を積み重ねることで、自らの中に本当の「愛」を宿していくことが出来る。そのような真の成長を、多くの人のものにしていきたいと彼女は願って生きています。
本書には、そのような生き方を貫いてきて、彼女が手にした答えが、宝石のようにちりばめられて輝いています。
本書を手にされた方に、多くの幸がもたらされることを願ってやみません。

平成十六年十月 塩見仁將